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レポートreport


12月レポート[2015.03.13]

 秋たけなわのある日のメンタル交流会。自己紹介方々この2−3か月で「良かったなー」と思えることを交流しました。そのとき多くの人たちが取り上げたのは「紅葉の美しさ」について。今年は特に美しいという話題から、それぞれのお気に入りの紅葉の見どころを紹介しあったところで、そういえば多忙を極めた時期や、病気に苦しんでいた昨年までは紅葉に気づきもしなかったことが参加者の多くに共通した経験であることが解りました。去年の紅葉は全く気付かないうちに冬になってしまったという人、桜の季節に気づかずにいつも下を向いてせかせかと歩いていたら、足元に桜の花びらがたくさん落ちていて、ふと見上げると桜が咲き終わりだったことがあるという人。

 日本で働く人々には紅葉や桜の時期にそれを楽しめているかどうかが、とても大切な健康のバロメーターであるということでしょう。「紅葉がきれいね」という話題すら出ない職場もあるのではないでしょうか? 気づいた人がどうぞ「○○の紅葉きれいよ」「○○の桜満開だったよ」と職場の仲間に声をかけてください。目に入っていなかった人に「はっ」と我に返るチャンスを提供していただきたいと思います。

産業カウンセラー:しみずよしこ

『マタハラ』[2015.03.13]

 働く女性の5割がハラスメント(嫌がらせ)を受けた経験があり、女性の3大ハラスメントに『パワハラ』、『セクハラ』、『マタハラ』があります。『マタハラ(マタニティーハラスメント)』は、妊娠、出産に伴う労働制限、就業制限、産前産後休業、育児休業により業務上支障をきたすという理由で精神的、肉体的な嫌がらせを行い、退職を促す行為の事を言い、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、労働基準法に違反します。

 2014年6月の連合の意識調査結果によると、26.3%の女性がマタハラ被害の経験があり、セクハラ被害を上回っています。また同年10月に最高裁で『マタハラ』の違法性が初めて認定され、厚生労働省も雇用主へマタハラ指導強化を決めました。

 しかし、被害を受けても訴えられず、仕事を辞めてしまう人も多く『マタハラ』という言葉が徐々に浸透しつつも、対策がまだまだなされていない状況です。男性だけでなく、女性からの嫌がらせもあり、妊娠、出産への正しい知識や理解から周囲へ協力を促したり、サポート担当者へのケア、人員増員など職場の体制作りが必要と思われます。さらに体制を変えるためには、育児経験のある女性の管理職雇用の促進も望まれます。

 先日、不妊治療を受けていた女性が、医学的根拠もなく仕事と治療の両立は難しい、これまでの例がないという理由で退職に追い込まれた相談を受けました。少子高齢化社会が深刻化するなか、妊娠してからではなく不妊治療も含め、女性が安心して妊娠、出産、子育てができる職場作りを社会全体で、もっと真剣に取り組んでいってもらいたいものです。

産業カウンセラー 小川よしこ

 ≪働く人たちへのカウンセリング≫

 メンタル不全の原因には、職場の人間関係や家族関係の悩み、個々人のストレス耐性の問題等が複雑に絡み合っているが、働く現場の労働環境の物理的な諸条件も大きな要素と考えられている。
 長時間労働・サービス残業が、働く現場のメンタル不全を引き起こし、病気休職から退職へと追い込まれる例が急増している。
 長時間労働はそれ自体、過酷な労働となって身体的な負担増となり、身体のストレス反応を引き起こすが、仕事に見合う報酬が保障されない実態の中で、働く者のモチベーションが低下し、現状への不満と将来への不安が、心の均衡を損なう結果につながっている。
 今年、「過労死等防止対策基本法」が施行され、11月は過労死防止の啓発月間となっている。国による実態調査も進められ、民間団体も含めて様々な啓発への取り組みも進められている。並行して、企業における従業員のストレスチェックも義務化され、調査のやり方など、メンタル不全の防止に向けて少しでも実のある調査となるよう取り組みが始まっている。
 日常の相談の現場では、個々人の、様々な悩みや不安な気持ちに寄り添って、問題解決に少しでも結びつけば、との思いでカウンセリングに臨んでいるが、それらの問題の背景・原因からも目をそらさず、クライアントと一緒に考えていくことが大切ではないかと感じている。


産業カウンセラー  小淵英一

 ○○○○○なことに気づいたら…

 夏から秋にかけて、同世代十数人で10回のグループを開催しました。その中でひとりの女性・Aさんは、グループでの思い思いの話を真剣な態度で聞いていました・しかし、話し終えた人から『Aさん、どう思うの?』『Aさんならどうする?』と、問われても声を出して応じることはできず、言葉のないまま口をパクパクしたり、笑顔でその場をやり過ごしたり、時には涙ぐんでしまう場面が毎回繰り返していました。

 7回目のグループの時、メンバーのBさんがたまりかねて『Aさんって自分の意思でこのグループに入ったんでしょ。毎回休まないで出席して偉いなぁって思ってるけど、思ったことや感じたことも何も話してくれないし、話してる私のことをどんな風に判ってもらってるのか言ってほしい。…自分のことは何も話さず、私の気持ちを聞いているだけ、それも聞いてどう思ったかも話してくれないね』と。この時もAさんはしばらく目をパチパチ、口をパクパクしていましたが、突然大きな涙がポロッとこぼれました。その時、すかさず、BさんはポケットのティッシュをAさんの前に差し出しました。1分程涙を拭っていたAさんは、黙って部屋を出て行きました。Aさん不在でグループは続いていました。半時間くらい後、鼻の頭を赤くしたAさんがグループに戻ってきた時、一瞬シーンとなり、みんなの視線がAさんに集まったのです。Aさんは自身の赤面を伴うあがり症について話しだしました。そして『今日、みんなの前で泣けてよかった。私をグループの一員として接してくれて嬉しかった』と、グループからは『ふーん』とも『えーっ』とも『あーっ』とでもなく声がもれ、これまで何もなかったかのようにその回を終えることができました。

 私は二つの勇気に出会い感動しました。感じたことを感じたまま伝える勇気と、まっすぐに受け止めて自身を率直に伝える勇気に。

産業カウンセラー うちだゆうこ

 ワークライフバランスを!!

 『ワークライフバランス』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?『仕事と私生活の調和』という意味ですが、その目的は『国民がやりがいや充実感を感じながら働き、仕事の責任を果たすとともに、家庭や地域社会生活などにおいても、人生の各段階に応じて多様な生き方が選択、充実できる社会を目指すこと』とされています。施策としては、育児や介護、看護のための休業、休暇制度、短時間、在宅勤務制度、フレックスタイム制などがありますが、女性のための福利厚生のように思っている人も多いのではないでしょうか?
実際、利用する男性は少なくて、残業の多い夫の協力が得られず、仕事を断念する女性が多いです。しかし、長時間労働は男性からも豊かで充実した私生活の時間、家族との関係、父親の役割を奪っているのです。仕事の疲れを趣味や家庭で癒されると、仕事への意欲が湧いてきます。私生活が充実すると仕事も充実します。
 近年、厳しい環境のなかで長時間労働を強いられていることによる、うつや自殺が社会問題となってきています。残業時間が長いほど作業効率が下がり、新しい発想が生まれにくいと言われています。つまり、長時間労働は短期的には売上を上げますが、長期的には良い企業戦力ではないのです。労働者の私生活の質を高めることは労働意欲、企業業績を上げ、労働者の定着率もよくなり、企業イメージもアップして企業と労働者にウィンウィンの関係が築けるのです。
 少子化対策だけでなく、企業の業績、経済成長を促すためには、労働時間を延ばすのではなく、質の高い良い労働を生み出せるように『ワークライフバランス』をもっと推進すべきではないでしょうか?

産業カウンセラー 小川よしこ

 ネット依存、広がる悪影響

最近、子供たちのネット依存の問題がテレビ、新聞などでよく取り上げられていますが、

意外なところにもその悪影響が広がっています。メンタルサポート京都では仕事のストレスからうつ病を発症し、一定期間の休業期間を終えてそろそろ職場復帰したいと思う段階の人たちへの支援の機会が多くあります。復帰に向けてまず大切な生活リズムを整えるという課題があり、その第一歩が朝の起床時間です。日中の暮らしぶりはかなり快活になってきていても、出勤時間に間に合うには程遠い、9時、10時にならなければ起床できないケースに出会うことがあります。生活記録を付けてもらうと就寝時間が2時、3時と驚くような時間になっています。眠剤を飲んでもインターネットをいじっていると…スマホでラインやゲームしていると…眠くならないと言うのです。働いているときはなかった習慣が長期休暇で余力が出てきたころについてしまった悪い習慣のようです。なかなか離せないようですが、就寝前のテレビ、パソコン、スマホなどは脳を覚醒させてしまいます。就寝1時間前には離れましょう。悪いと知りながらやめられない人もいます。スマホを枕元に置いているとついつい触りたくなるようです。ベッドからは離れたところに置きましょう。

 悪い習慣は連鎖して次の悪い習慣を生み出し、負のスパイラルで生活リズムを壊します。

悪い習慣を断ち切ることは健康を取り戻し、人生に主体性を持つことに繋がります。心に力をつけるためにも大切なことですね。

産業カウンセラー:しみずよしこ


「心の病 労災申請最多1409人」

 前回のレポートに続いて京都新聞の記事から第2弾。(6月28日 朝刊 社会面)
 13年度の厚労省の集計から、表記の見出しで大きく報道されていた。サブのタイトルが「職場いじめ目立つ」とある。労災の申請も認定もこの5年間急増しているが、ストレス性の疾患、ストレスの要因となるパワハラの急増など、職場環境の悪化は益々深刻さを増している。
 職場でストレスを感じて(メンタル不全で)病休に入り、復職に向けて苦労する人も増えている。そのストレスの多くがパワハラがらみの職場での様々なトラブルが原因と言える。申請の8割が20〜40代の働き盛りに集中している事も、職場の実態を反映しているのだろう。メンタルサポート京都のカウンセリング・復職支援の実態とも重なっている。
 折しも、「過労死等防止対策推進法」も成立し、過労死・過労自死の実態も今後国レベルで明らかにされようとしている。
 職場でのメンタルに関わるストレスの実態も、「労安法」の改正で調査が(企業に)義務化されようとしている。前回のレポートにもあったように、メンタル休職者への関心は、企業サイドでも国のサイドでも(それぞれの立場から)高まっていると言える。あとは、実際の被害者でもある労働者一人ひとりがメンタル不全から守られ、メンタル病休からの復帰を果たせるような、有効なサポートのあり方が問われている、と言うのが現在の状況ではないか。
 今後はEAP事業への関心も一層高まって行くに違いない。メンタルサポート京都の役割の重さを益々痛感させられた報道だった。
                              
       産業カウンセラ− 小淵 英一

 < 初夏というには・・・ >

暑かったり蒸し暑かったりの毎日です。梅雨なのか・・・夏なのか・・・体感バランスを崩しそうな日々が続きます。
みなさまお変わりなくお仕事に家事に勉学に励みすぎてはいませんか?
こういう時期は、先ず自分自身の体調、気分に注意を向けて下さい。
人に相談することでもなく生活上困らない程度に「だらけて過ごす」のも一策です。
このところ不快で腹立たしい社会情報や世界情勢に気分の晴れない日々、私が心待ちにしているのは毎水曜日。京都駅から60分の稲枝という田園地帯の真ん中のとある所に通うことが楽しみです。5月初旬田植えが始まりました。一枚の田んぼは京都付近のそれよりかなり大きいです。その田んぼのはるか向こうには、やや低めの山々が幾層にも重なり、晴れた日には緑色と若草色と空色の三色が柔らかく目に馴染みます。
歩くことが少なくなったこの頃、稲枝駅から徒歩20分、靴底の減りを実感する一方、一週毎に緑が深くなっていく風景を愛でながらテクテクと日傘の下、楽しんでいます。元気になります・・・単純なんでしょうか。

文責  内田 有子 (産業カウンセラー)

  『健康づくりのための睡眠指針2014』

 厚生労働省が策定する睡眠指針がこの度、改定された。睡眠が生活習慣病や心の問題と密接に関連していることや若年、勤労、熟年の世代別で睡眠の助言をしている。健康な人の実際の睡眠量は15歳までは8時間以上、25歳は7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間程であり必要な睡眠量は眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番であることが分かった。
 不眠は高血圧や糖尿病、うつ病になりやすいことが明らかになり、横になっていても休養感を得られないと心でも体の面でも悪い影響を及ぼすことが分かった。
 良い睡眠のためには環境づくりも重要で温度、湿度、光が影響し特に寝床での携帯、メール、ゲームが体内時計のずれを招くので注意が必要だ。
 勤労世代では労働時間が長くなれば生活時間が短くなり睡眠時間も短くなる。睡眠不足は注意力や作業能率を低下させて悪循環に陥らせ、産業事故の危険性を増すだけでなく、脳・心臓疾患や心の病に羅漢するなど重大な健康障害を引き起こす。最悪の場合には死を早めたり家庭を崩壊させる。
 過労死や過労死自殺の防止を『国の責務』と明記した初の法律が国会で成立する公算が大きくなった。心身ともに健康であるための質の良い睡眠の確保は個人だけでなく、労働時間を管理する企業、国、社会全体が共有の課題として真摯に取り組むべきだと思う。
                               産業カウンセラー 小川


     

  「私を褒めて!」「私を認めて!」
 最近、医療や、介護、保育等の現場で働く人たちが
とても疲れているなと感じることが多くある。
それは同僚間の人間関係がうまく行かないという現象に
現れることが多い。「カッとしてつい喧嘩腰に大声で言って
しまう」、果ては「殴ってしまった」、「胸ぐらを掴んでしまった」
という暴力にまで及んでしまうケースも珍しくない。
 そんな悩みを抱えてカウンセリングルームを訪れる人は至って
穏やかで利用者のことを大切に考えている仕事熱心な人である。そんな人たちの思いをじっくりと聴いていると、「もっと私を褒めて!」「もっと私を認めて!」「私を癒して」という心の叫びが聞こえてくるような気がする。
 医療や福祉の仕事に献身的に取り組む人もやはりその努力は認めてほしいし、成果を褒めて欲しいとも思う。本人がそう意識するか否かは別として、人間の心はそんなふうにできていると思う。マズローは生理的欲求が満たされ、安全欲求が満たされ、所属と愛情の欲求が満たされ、承認欲求が満たされることで自己実現(成長)の欲求が湧きあがると説いた。労働意欲はそうして高められるのだ。福祉労働は奥深く質の高い労働であるにもかかわらず、賃金は低く、社会的評価が低い。そんな社会の貧困をせめてフォローできるのは上司や同僚から十分に褒められたり、認められたりする暖かい職場だろうと思う。

産業カウンセラー:しみずよしこ
  メンタル休職42%退職

 3月18日(火)京都新聞夕刊に表題の見出しで6段抜きの記事が目に入った。労働政策・研修機構の調査結果を報じたものだが、企業における病気休職者の退職率が、第一位の癌に続いてメンタル不調による休職者のものが42.3%と、全疾患平均を4.5ポイント上回ったというものだ。とりわけ目を引いたのが、企業の休職制度の短いところに高い退職率が表れている、というところ。(3か月未満で59.3% 2年6月以上では29.8%)それは、中小企業(100人未満)では48%で、1000人以上の企業より15ポイントも高い!ということにも表れている。記事は、厳しい現状の指摘とともに、メンタル不調からの復職には十分な時間の必要性と、復職にあたって、無理のない働き方ができるかがカギ、との専門家の声も併せて紹介している。
 メンタル不調からの復帰の困難さは、まず何よりもメンタル不調を出さない一次予防の重要性と、それ以上に現実的な課題としての、手厚い復職支援の取り組みを求めている。
 「メンタルサポート京都」の出番もここにあるとの思いを、改めて感じさせた記事だった。

産業カウンセラー 小淵英一




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